人生１００年時代と言われても、シニアを採用してくれる仕事は少ない。６０歳で定年を迎え、６５歳の年金までの空白の５年間、大企業に勤め退職金がけっこうある人ならともかく、大した仕事もさせてもらえず、フリーターのような生活をせざるを得ない人は多い。そんな中シニアに甘い言葉をささやき、何かに利用したり、安く死ぬまでこき使おうとする会社がある。そのような会社に遭遇した経験の一部を紹介しようと思う。

「あなたが今不幸なのは悪い因縁が原因。今すぐ先祖供養をしなさい。」

ある小さな広告代理店に入社したときのことである。その会社の社長による２次面接の際「うちの会社は毎朝お経をあげますが、あなたは大丈夫ですか？」と聞かれ、「我が家にも仏壇があるので毎朝手を合わせています。」と答え、お経を読むのは精神修行になると思い、そのときはすんなり受け入れた為内定をもらい３ケ月の研修期間に入りました。他にも内定者がいましたが、全員お経に参加可能な人でした。お経に参加するだけのつもりでしたが、それだけでは段々済まなくなっていきました。その過程が以下の通りです。

入社　３日後　今週教会の掃除があるので出てください

入社１０日後　今週教会の夜警当番があるので出てください

入社１５日後　今週日曜日は教会で修養会があるので出てください

入社２０日後　今週末社長宅で修養会があるので出てください

入社３０日後　社長に呼ばれ、遂に○○○○会の会員になるよう促される

　　　　　　　その後も上記の参加活動は続く・・・

入社６０日後　会員になるかならないか問われる（断れば当然退職を促されることに）

入社９０日後　会員になるのなら先祖供養するので役所で除籍簿をとるよう言われる。

　　　　　　　そして自宅にその宗教の仏壇を設置すると言われる。

会員になって先祖供養すれば、自分の悪い因縁が断ち切れ幸福が訪れると言われ、数々の奇蹟が起こった話もされたが・・・周りを冷静に見ると、社員全員が会員であることに気付き、どうしても会員になることが嫌で退職に至る。

この会社の社長は、その新興宗教の組織では若くして役員（何十人も採用し、何十人も退職している・・・繰り返して信者を増やす手口？）でもあり、社員も会員にならなければ信頼しない。どこの新興宗教も同じで、会員を増やすことが一番の功徳と教えられていて、その結果が良いものがその教団で地位を確立する。私的に活動するならともかく、就職と引き換えに会員を募る手口はやはりおかしい。宗教が全て悪いとは思わないが、人の弱みにつけこんでくるのも宗教、とくに新興宗教のほとんどがそうであるように思える。旧統一教会問題だけではなく、カルトと呼ばれる教団は多い。必ず末法思想、終末論が出てくる。そのうえ他教団の悪口が飛び交い、奇蹟の話をする。会社ぐるみで教団組織になっているのは決して珍しくないのではと思う。なぜなら国内に大なり小なり４００教団があるらしい。

信じる者こそ救われるというが、信じていない以上予期せぬことに巻き込まれることのないよう気をつけるしかない。（事前に、応募する会社の代表、役員のプロフィールなど調べておくべきでしょう・・・なかなか難しいことですが）給料と引き換えに信者になった振りをするほど器用にはなれないの私なのだから。

参考①：信者が話した、先祖供養して起こった奇蹟話例

　　　「借金が返せた」「女系家族で男を授かった」

　　　「不運ばかりだったが、幸運ばかりになった」「病気が治った」

　　　「ガンが消えた」「引きこもりの息子が立ち直って就職した」

　　　「良い人と巡り合えて結婚した」「家庭の不和が解消した」

　　　「大金が転がり込んできた」「家が買えた」・・・・・・ETC

参考②：日本の新興宗教ランキング

（『宗教年鑑　平成25年版』より）。

【1位】幸福の科学／11000000

【2位】創価学会／8270000（世帯）

【3位】立正佼成会／3111644

【4位】顕正会／1670000

【5位】霊友会／1390248

【6位】佛所護念会教団／1240689

【7位】天理教／1209421

【8位】パーフェクトリバティー教団／934489

【9位】真如苑／909603

【10位】世界救世教／835756

【11位】崇教真光／800000

【12位】妙智會教団／654046

【13位】世界基督教統一神霊協会／600000

【14位】生長の家／586973

【15位】円応教／456902

【16位】金光教／429975

【17位】念法眞教／416931

【18位】神慈秀明会／360000

【19位】阿含宗／356841