#シニアのバイト アグリ篇02「カボス収穫」
残暑きびしい8月。次に舞い込んだアグリバイトはカボス収穫だった。現在私が住んでいる大分県はカボスの産地だ。何と全国のカボスの95%は大分県産なのだ。収穫時期は、ハウスものが3~7月、露地ものが8~10月となっている。クエン酸、ビタミンCをたっぷり含んだまろやかな酸味とさわやかな果汁は、焼酎に、刺身、焼き魚の風味付けに欠かせない大分の定番である。(最近では、カボスを食べさせた養殖魚「カボスぶり」「カボスひらめ」がブランド魚として売られている。カボスに含まれるポリフェノールが切り身の変色や臭みを抑えるとのこと)全国的にはすだち、柚などもあるが、明らかに違う。違いを知りたい人はお試しあれ!!

朝6時JA駐車場集合。事前に長靴を持っていくよう連絡され、昨日ホームセンターで購入した長靴を持参。いつものように乗り合いワンボックスに揺られ、目的地臼杵市のカボス畑に向かう。臼杵は竹田、豊後大野と並びカボス産地のメッカ中のメッカである。樹齢200~300年と言われる古木が点在しており、他にはこのようなカボスの古木が無いことから、これらの地区が原産地ではないか?と言われている。カボスの名の由来に関しては諸説あり未だ不明らしい。

1時間後、現地到着。山奥の森の中を切り開いたカボス畑といったところ。地面は一周間続いた長雨のせいでヌルヌルだ。今日の雨雲レーダーを見ようとしたが、山奥過ぎてスマホの電波が入らない。タオルを首に巻き、長靴に履き替えカボス畑の中へ。初心者なので、まずは農家の方から摘み取りの指導。ポイントは「全収穫」と「2度切り」。全収穫とは、木に実ったカボスをひとつも残さず収穫するということ。2度切りとは、へたをハサミで切って摘み取るが、もう一度ヘタを短くカットするということ。これにより、かごの中で互いのヘタのせいでカボスの表面に傷がつくのを防ぐことができる。取り残しのないよう2~3人で1本の木を全収穫していくが、枝が入り組んだところのカボスを摘み取るのは結構危険だ。なぜなら、カボスの枝にはバラのようなトゲがあるのだ。長袖を着て作業していたが、あっという間に腕は傷だらけになってしまった。腕はともかく顔は気を付けなければ・・・・・・。


ある程度収穫したらカゴに20㎏ずつ詰めてクルマで収穫倉庫へ運ぶ。炎天下、足元はドロドロの中ひたすら収穫作業を続ける。汗びっしょりで体もきついが、何故か心地よい。これがアグリバイト、人はやはり土に触れなければならない・・・・・・本音である。つづく

