#とんかつ~最高のロースかつ 新橋とんかつ「河」


わたしがたいてい注文するロースかつ定食

わたしが知っている世の中の料理の中で、何かひとつだけ好きな料理を挙げるとしたら?死ぬ前に最後に食べるとしたら?と質問されたら、間違いなくわたしは「とんかつ」と答えるでしょう。それぐらい好きなのです。総じて揚げ物は、エビフライ、カキフライ、あじフライ、チキンカツ、メンチカツ、コロッケと何でも好きなのですが、とんかつには勝てません。ひとことで「とんかつ」と言っても、素材、パン粉、油、揚げ方、ソースで大きく味と食感が違ってくるのは言うまでもありません。ですから同じとんかつ好きでも、その好みによってイチオシのとんかつ店は変わってくると思います。日本全国には多数のとんかつ店があります。(基本、日本人はとんかつ好きなのだと思います)旨いとんかつ店を列挙しても枚挙にいとまがありませんが、その中でもわたしが30年以上通う東京の名店を紹介したいと思います。それは新橋にあるとんかつ「河」です。あえてジャンル分けすると、パン粉の衣が「厚くてサクサク系」と「薄くてサクッと系」があるかと思いますが、前者のとんかつに入ります。

■ とんかつ雑学&とんかつ「河」とわたし

とんかつという名称の由来は、”豚”の音読みの「とん」と、フランス料理の”côtelettes”(かつれつ)の組み合わせから来たものです。 明治時代、洋食店「煉瓦亭」でポークカツレツが出され、昭和時代に洋食店「ポンチ軒」で現在のとんかつになったとされています。その後とんかつ専門店が続々登場し、老舗・名店となっています。上野・浅草から全国に拡がりました。東京だけみても「丸五」「大倉」「まい泉」「成蔵」「丸一」・・・・・・など何十件も出てきます。

わたしがとんかつ「河」と出会ったのは20代前半の頃でした。当時大学を卒業し、新橋にあるTV制作会社のADをやっている頃でした。最初にもらった給料で自分にご馳走しようと思ったのがキッカケでした。とは言え給料は少なく、寿司は高すぎて食べられない為(回転寿司は未だ無かった)、せいぜい2,000円ぐらいのものを探していました。今もある駅前のニュー新橋ビルの地下レストラン街に入ってウロウロしていると、旨そうな揚げ物の匂いがしてきました。それがとんかつ「河」だったのです。(現在はありません)ロースかつ定食と瓶ビールを注文し、その旨さに感動しました。こんなに美味しいとんかつを食べたのは生まれて初めてでした。超肉厚でジューシーな肉にサクサクの食感。それから給料日が来るたびに毎回行くようになり、転職して職場が新橋でなくなっても通い続けました。途中ニュー新橋ビルのお店が無くなりがっかりしていたところ、いろいろ調べて同じ新橋に現在通っているとんかつ「河」(銀座から引っ越してきたらしい)を発見し大喜びしたのを覚えています。(インターネットが無い時代/昔は銀座・新橋界隈に数点あったようです)食べてみると少しの違いはありましたが、ほぼ同じ流派のとんかつだと感じました。味噌汁の「豚汁」か「なめこ汁」を選ぶところも同じでした。今のところ胃は健康なので、事あるごとにガッツリいきたいときはとんかつを食べますが、とんかつ「河」以上のとんかつと思えるものに未だ出会っていません。わたしにとってのとんかつ「河」のとんかつは、まさしく青春の味のひとつであり、唯一無二のとんかつであり、後世に残したい逸品なのです。

  • とんかつ「河」
  • 港区新橋3-6-21
  • 03-3578-0778
  • 新橋駅烏森口から徒歩3分、柳通り
  • ロース、ヒレ、ひとくち、かつ丼、カキ(冬)、どれもおススメ
  • 雑学のおまけ:10月1日、10月10日は「とんかつの日」